ハッピーエンドにしませんか
私は岸優太くんが大好きだ。
どれくらいかというと、
友達と
「(岸くん以上の男はいないから)結婚相手は妥協」
という話を真面目にするくらい。
語弊があるかもしれないけれど、
岸くんを初めて見たお兄ちゃんガチャの時から、
私の世界は本当に岸優太を中心に回っていた。
岸くんはブレない。
彼の美しいパッセのように、生き方にも1本筋が通っている。
岸くんは優しい。
岸くんは優しさの返し方を知っている人だ。だからこそ、彼は多くの人に愛されている。
岸くんは驕らない。
岸くんは常に何かに追われているように焦っている。その焦りは常に自分の今に対する焦りで、常に何かを求め続けなくては生きていけない人だ。今の自分に驕ることを知らない。
岸くんはよく笑う。
クシャッと笑う目尻の奥に、忘れかけていた童心を思い出させるような無邪気さがある。そして彼はたぶんつらい時こそ笑おうとする人だ。
岸くんは面白い。
彼は常に何を考えているかわからないミステリアスさがある。彼のまっすぐさが現れた言葉達は時に人を笑わせ、周りの人を幸せにする。
岸くんは気遣いの人だ。
私は今まで岸くんが人をバカにしてとった笑いを見たことがない。たまに無自覚に出てしまう失言を必死にカバーしようとしてどんどん墓穴を掘っていく様にまた周りは笑顔になっていく。
岸くんはアイドルだ。
岸くんは歌もダンスも演技も本当に上手い。最近は生歌もとても安定している。多分たくさん努力しているんだろう。だけど、その努力をこちら側に見せない努力も怠らない人だ。私はどんな岸くんよりもステージで歌い踊る岸くんが1番輝いていると思っている。
言葉にしたらなにか大切なものがこぼれ落ちている気がするけれど、
短絡的に言うと
大好きだ。
本当に大好きなんだ。岸くんのことを考えると胸の中に暖かいものがじんわりと広がるくらい。
だけど、
私の心の中の時計は2018年の1月17日から動かなかった。
「大切なものはいつも失ってから気づく」
とはよく言ったものだ。
私は岸くんと同じくらい、Princeというユニットが好きで好きで仕方なくなっていた。
私がよくJr担時代に言っていた言葉がある。
「3人がいつまでも一緒にいられますように」
今振り返るとこの言葉は半分正解で、半分不正解だった。
私が願っていたのは
「3人が一緒にいる」
ことじゃなくて、
「3人で一緒にいる」
ことだった。
デビューするなら6人だろうと思っていたけれど、その当時の私にとってデビューはどこか違う世界の出来事のようで現実味のないわたあめのようなかんじだった。とにかく今が楽しくて仕方なくて、今がずっと続けばいいと半ば本気で思っていた。
そんなことよりも、世界中の人に私はこんなに素敵なグループを応援しているんだぞ!!と大声で自慢したいほど本当に本当にPrinceはいいユニットだった。
デビュー発表当時は、頭が真っ白で何も考えられないというか事実を受け入れることで精一杯だった。
だけど真夜プリが終わる頃には、
私はPrinceの亡霊になっていた。
何をしてもPrinceを基準に考えてしまう。
そして気づいた。
「最高」を過去に置いてきてしまったのだと。
大好きな人がいる場所が一番だと言えないことがこんなにも苦しいのだとその時初めて知った。
そんな自分をだんだんごまかせなくなっていった。
夏のコンサートでのPrinceパート。分かってはいたけれど、当たり前のように、やっぱり3人はKing & Princeの岸優太と神宮寺勇太と岩橋玄樹だった。
「私が本当に見たかったのはこの景色?」
だんだん自分の中でのモヤモヤがひろがっていった。
だけど岸くんは変わらなくて、肩書きが変わっても、愛される先輩の幅が広がっても、どこまでも変わらない岸優太だった。
そして私もそんな岸優太のことが変わらず好きだった。
だんだん雑誌もテレビも追えなくなっていたけれど、変わらず好きだった。
そして私は同担も大好きだ。
岸担はたぶんとても珍しい部類で同族で集まりたがる。
岸担は、みんな優しくてやっぱり頭のネジがどこか飛んでいて愛しい。
私は誕生会で見たみんなが愛しそうに岸くんを語る顔を忘れることが出来ない。
そんなコミュニティの中にいるのが心地よかった。
だからこそ、この決断をするのに1年もかかってしまったのかもしれない。
突然ですが、
私は岸優太くんを担降りします。
私は担降りって自担を嫌いもしくは無関心になってするものだとこれまで思い込んでいた。だけどそれは違った。
私に起こったのは「ずれ」だ。
岸くんは前に進もうとしている。私は後ろばかり見て前に進めない。岸くんが大切にしようとしているグループを、私も同じように愛せない。このずれがどうしようもなく苦しかった。私は自担を全肯定したいタイプのヲタクだから、彼の考えに同意できなくて、背中を精一杯押せない自分が苦しかった。彼が家にしようとしている場所を意地でも認めようとしない自分が見たくなくて、だんだん目を背けるようになった。明日も愛したいのに、一昨日の方が愛しい自分に気がついた。戻らない時間は戻らないからこそ美しく、価値があるのだ。そして、過去に価値をつけてしまった人間は後ろ向きでしか、前に進めない。私はそれは嫌だと思った。
もうひとつの「ずれ」は世間とのずれだ。
岸くんはこんなにも素晴らしいのに、そこらへんの誰よりも一生懸命で努力家なのに、世間の評判は「ぱっと出のアイドル」そのくらいだ。別にそれくらいならいいのだ。努力を見せない努力もまた、アイドルとして必要なのかもしれない。だから、バラエティーで持ち前のポテンシャルが発揮されたときは思う存分笑っていい。私も笑いたい。
だけど岸くんが一生懸命やっていることを見て笑うな。そのお前らが知っている面白い岸くんの延長線上に、俳優岸優太はいない。岸くんはアイドルなのであって芸人じゃない。神対応スカッとに泣いた。泣くような番組じゃないのに。悔しいのか悲しいのか分からなかったけど、苦しかった。これから先ずっとこういう気持ちと戦わなければならないのかと思った。彼は受け入れているのかもしれないけれど、私はどうしても受け入れられなかった。Jr時代のある意味、盲目な世界で大切に守られていた岸優太像を簡単に壊された気すらしていた。その時に気づいた。私の基準はいつまでもジャニーズJrの岸優太なのだ。小さな世界で大切にされる岸優太なのだ。だから、私の時計は動かなかった。
きっとこれからも現場には行ってしまうだろうけれど、あの頃と同じ熱量を持って応援できないと思ったし、そんな中途半端な私が岸担を名乗るのはきっと岸くんにも岸担のみんなにも失礼だなと思いました。これからは自分のペースでゆっくりと応援していけたらいいなと思っています。
私の中での岸くんの物語は一旦ここでしおりを挟むことにしたけれど、ここからも彼の長い物語は続きます。その物語がよりドラマチックでたくさんの人をそして彼自身を幸せにするものでありますように。
当て馬役の印象が強い彼だけど、彼自身の物語くらいハッピーエンドにしてくれよ!!!!!!!!
大好きだったよ!!!バカ!!!!!!